社会学屋のためのLaTeXのススメ
(この記事は2018年2月9日に執筆されました)
(大学生向けのLaTeX雛形ファイルもあるよ!)
(2018年2月15日 - 雛形を更新・修正)
1. LaTeXとは何か
LaTeXというのは、理系のやつらが使ってる、なんか難しいけど数式とか綺麗にかけるアプリです。理系にだけ使わせておくのはもったいないので、社会学屋でも使いましょう。
2. この記事の対象
3. やり方
3-1. TeXLiveをインストールする
以下のアドレスからWindows用のTeXLiveをダウンロードして実行します。出て来る画面には、基本「Next」「次へ」「インストール」「導入」などポジティブな言葉を押します。
http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-windows.exe
(元サイト:http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-windows.exe)
(詳細な日本語の説明→TeX Live/Windows - TeX Wiki)
インストールの終了には環境にもよりますが数十分かかります。
3-2. TeXWorksを起動してみる
TeXWorks(LaTeXを作るソフト。Wordみたいなやつ)を試しに起動してみましょう。これは現在のTeXLiveには標準でインクルードされており、だいたい(環境にもよりますが)、
C:\texlive\2017\tlpkg\texworks
あたりにexeファイルがあると思います。ショートカットをデスクトップに作るなりしておきましょう。
TeXWorksは上画像のように、左にtexの文法に則したテキストを書いて緑の実行ボタンを押すと、ウィーンガリガリと色んなファイルを作成して右のようなpdfを出力してくれます。綺麗!(もちろん、出力されたpdfは他のビューワで見ることが出来ます)
とか適当にうって実行して出来るか試してみましょう。
以下、注意点です。
3-3. TeXの文法を覚える
LaTeXはいわゆるマークアップ言語に近く、HTMLをやったことのある人ならばとっつきやすいと思います。そうでなくても、1日~2日あればなれると思います。自分の分野に応じてよく使う記法を覚えましょう。
文法のリファレンスサイトとしては、以下が有名です。
ここを一周して「ふーん、こんな風にかけるんだ」とすればいいと思いますが、実は罠があって、今回の最新の環境ではこのサイトのコマンドだとエラーを吐くものがあります。たとえば、
- {\bf このサイトの記法} → \textbf{最新の記法}
その為、先のサイトでどういうコマンドがあるか覚えたら、その後はこちらのサイトを使用したほうがよいでしょう。それかgoogleで「LaTeX コマンド名」で調べましょう。どちらにせよ、文法の変化があることは留意すべきです。
4. 付録
4-1. レポートの体裁について
大学生なりたての諸兄はレポートについて、どう書いたらいいか分からないというのがあります。基本的には、その分野の学会の学会誌の書式要件に従えばよいのですが、一般教養のクラスで要求されるレポートについては、ある程度見た目が整っていれば他の分野の学会の書式でもいいでしょう。というわけで社会学会の一般的な書式ほかです。
引用文献の書き方なども懇切丁寧に教えてくれています。プリントアウトして使うのが最も使いやすいかと思います。くれぐれもgoogleで「引用文献 書き方」でヒットした適当なサイトの書式に従ってはなりません。これを使いましょう。
あと誰も教えてくれなくて一回恥を書いたことがあるので念のために言っておきますが、
- レポートには必ずページ番号をうちましょう
あとこんなこと言うのも憚られるのですが、知らなくて恥を書いている人をたまに見かけていたたまれなくなるので言っておきますが、
- Wikipediaを参考文献にしていいのは、そのクラスの先生が「Wikipediaを参考文献にしていいよ」とわざわざ言ったときのみです。
- Twitterのアンケートをレポートに(基本)載せてはいけません。
- 名前を書き忘れるな(表紙があっても基本は別に書け)。
- 京大の一般教養のレポートはレポート用紙の上辺二箇所にホチキスだ。
4-2. LaTeX雛形
texを使用して文書(pdf)を作成する場合、自分なりの雛形があれば楽ですが、結構文字組みに苦労したので、自分が先の社会学会の要件に従って(ただし表紙をつける必要がある場合は適宜そうしてください)作成した雛形を置いておきます。各自DLして使って下さい、再配布も構いません。
下に生でコードを置いておくので、それを使ってもいいし、アップローダにあげたのをダウンロードして使ってもいいです。
\documentclass[a4paper,10.5pt]{jarticle}
\usepackage[truedimen,top=25truemm,bottom=30truemm,hmargin=25truemm]{geometry}
\usepackage{calc}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{arevmath}
\usepackage{pxrubrica}
\begin{document}
%
% 表紙を必要としないもの用のTeX雛形(作成:@oz4point5)
% おおむね社会学会の論文用の書式に従っている
%
% 文字組他に関しては以下のウェブページを参考にした
% https://texwiki.texjp.org/?geometry
%
\makeatletter
\newcount\@chars\newcount\@lines
\@chars=40 % 1行の文字数
\@lines=40 % 1ページの行数
\newdimen\@kanjiskip
\@kanjiskip=\dimexpr(\textwidth-1zw*\@chars)/\numexpr\@chars-1
\newdimen\@@kanjiskip
\@@kanjiskip=\dimexpr\@kanjiskip/10
\setlength{\@tempdima}{1pt*\ratio{\dimexpr\textheight/\@lines}{\baselineskip}}
\renewcommand{\baselinestretch}{\strip@pt\@tempdima}\selectfont
\kanjiskip=\@kanjiskip plus \@@kanjiskip minus \@@kanjiskip
\parindent=\dimexpr 1zw+2truept
\parindent=\dimexpr\parindent+\@kanjiskip
\makeatother
%
% タイトルなど
%
\title{論文タイトルの全文}
\author{名前\\京都大学総合人間学部4回\\文字数}
\date{}
\maketitle
\tableofcontents
%
% 以下本文
%
\part{part1}
\section{section01}
和文は原則として全角を用いる。数字のみ半角。句読点は全角の「.」と全角の「,」を使うことにする。
句点は「。」で,読点は「、」でうっておいて,原稿の完成時に全角の「.」と全角の「,」に一括変換すると間違いがない.
\section{section02}
%
% 脚注
%
\section*{[注]}
\begin{enumerate}
\item 脚注を記述する
\end{enumerate}
%
% 文献リスト
%
\section*{[文献]}
\begin{itemize}
\item 参考文献を記述する
\end{itemize}
\end{document}